なぜ私がインティマシーコーディネーターを目指すのか 西山ももこ

わたしはこれまで撮影の専門コーディネーターとして、映画、TV番組の制作に12年間携わってきました。その中で培ってきた自分の強みは、「フィクサー」として、目まぐるしく発生する問題に対応できる「現場での問題解決能力」です。また、長期にわたる海外ロケや映画、TV番組で、様々な立場のスタッフや俳優、演者のなかで、力関係や制作側の主旨を的確に肌で理解し、現場がスムーズに回るよう立ちまわれる「適応力」と「コミュニケーション能力」です。

インティマシー・コーディネーターという仕事が発生した理由が#Me Too運動であることでもわかるように、インティマシー・シーンはどのような種類のものであっても、俳優にとっては「傷つきやすく、脆く、不安」な状況なのです。

通常であればとてもプライベートな状態や内面を人前で表現しなければならないプレッシャーもあるでしょう。そこに、職業的役割のコーディネーターが介在し、シーンの中での動きなどの「振り付け」を助言してくれたらどうでしょうか?
不安要素や懸念を一緒に明確にし、それをひとつひとつ排除して、自分の最高の演技に必要なものを全てサポートし提供してくれる存在があれば、俳優は演技だけに打ち込めると思うのです。

だからと言って、このコーディネーターの役割は反制作側となるものでは決してありません。逆に経験上、制作側の気まずさや、頭を悩ます俳優への配慮や懸念もきちんと理解し、払拭し、後々双方が揉めることがないように明確にコミュニケーションをとっていきます。

これまでの私のコーディネーターとしての経験値と強みを生かし、映画・テレビ番組制作のなかで皆様にとって心地よい安全な現場を作っていくお手伝いをさせていただければ幸せです!